ツルだけじゃない鳥の部屋

参考文献

大西敏一、五百澤日丸、真木広造『日本の野鳥650』(平凡社)

高野伸二『フィールドガイド 日本の野鳥』(日本野鳥の会)

John MacKinnon & Karen Phillipps『A FIeld Guide to the Birds of China』Oxford University Press

Wikipedia

カモ


カモ科


ガン類





「ガン類」、あるいは「真性ガン類」というときは、マガン属とコクガン属、あわせて15種類を指すことになっているようです。「ガン」と名前がついても、エジプトガン等はこの仲間には入れないようです。

日本では10種類が野生で記録され、さらに1種が野生化(いまは全て捕獲)しており、世界に冠たるガン大国といっていいでしょう。

    世界のガン

     マガン属
        サカツラガン
        ヒシクイ
        マガン
        ミカドガン
        ハイイロガン
        カリガネ
        ハクガン
        インドガン
        ヒメハクガン

     コクガン属
        コクガン
        シジュウカラガン
        カナダガン
        カオジロガン
        アオガン
        ハワイガン


ガンの種類数については、15種類から17種類までの記載があります。かつては「15種類」という記述が主流でした。シジュウカラガンをカナダガンから分離したことによって1種類増えました。問題はヒシクイの亜種を別種とするかどうかです。Tundra Bean-Goose(亜種ヒシクイ等) と Taiga Bean-Goose(亜種オオヒシクイ等)を別種と数え、コザクラバシガンも独立種とすれば最大の17種類となります。ここではコザクラバシガンをヒシクイの亜種とし、ガンの種類数を「15種類」とします。


サカツラガン
学名: Anser cygnoides
英名: Swan Goose
体長: 87cm

酔っぱらった顔のように見えるからサカツラガン(酒顔雁)。日本では珍しいガンですが、ハイイロガンとともにガチョウの原種(サカツラガンからシナガチョウ、ハイイロガンからヨーロッパのガチョウ)。


ヒシクイ
学名: Anser fabalis
英名: Bean Goose
体長: 78-100cm

日本には亜種「ヒシクイ」と「オオヒシクイ」がいて、「オオヒシクイ」のほうが大型。「菱食」です。この写真は茨城県の稲波干拓で撮影したオオヒシクイ。

作品集: オオヒシクイ 稲波干拓(2015)


マガン
学名: Anser albifrons
英名: White-fronted Goose
体長: 72cm

宮城県伊豆沼が国内最大の越冬地となっています。

作品集: マガン 伊豆沼(2011)
      マガン 伊豆沼(2021)


ハイイロガン
学名: Anser anser
英名: Graylag Goose
体長: 84cm
マガンより大きい、大型のガン。日本には稀な冬鳥として飛来。

作品集: ハイイロガン 兵庫県稲美町(2022)


カリガネ
学名: Anser erythropus
英名: Lesser White-fronted Goose
体長: 58.5cm
マガンによく似ているが、マガンより小さく、嘴付け根の白い部分が頭の上まで広がり、目に
金色のアイリングがある。


ハクガン
学名: Anser caerulescens
英名: Snow Goose
体長: 67cm

北海道や新潟県などに定期的な渡来地があります。2015年11月に足立区の荒川河川敷に幼鳥3羽が飛来したのを撮影。成長は真っ白で、初列風切のみ黒いが、幼鳥はグレー。初列風切が黒いのは同じ。

作品集: ハクガン 幼鳥 東京都(2015)


インドガン
学名: Anser indicus
英名: Bar-headed Goose
体長: 74cm

バイカル湖以南、ヒマラア以北のモンゴルの高地で繁殖し、インドで越冬する、と日本の図鑑にあります。チベットのラサは立ち寄り先ですが、たくさん見ることができました。

作品集: インドガン ラサ(2016)


コクガン
学名: Branta bernicla
英名: Brant
体長: 61cm

日本産のガンでは唯一、海で生活するガン。函館の越冬地が有名。この写真は千葉に飛来したもの。

作品集: コクガン 九十九里(2015)


シジュウカラガン
学名: Branta hutchinsii
英名: Cackling Goose
体長: 60cm

かつて宮城県でたくさん越冬していた種ですが、昭和初期に急激に数を減らし、絶滅寸前まで追い込まれました。繁殖地の千島列島で、毛皮をとる目的でキツネが放たれたことが原因と言われています。日本雁を保護する会が中心となって、ロシアやアメリカと共同で復活計画を推進した結果、最近飛来数が復活してきています。

作品集: シジュウカラガン 千葉県印西市(2022)

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